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私達の視覚器官は太陽光(自然光・白色光とも言います)に反応する事で成り立っています。
 
太陽光に変わるものとして、古代より薪の灯り、ローソクの灯り、ランプの灯りと様式を変え、
今日では「白熱灯」「蛍光灯」「その他の光源(ナトリウム灯など)」が使われています。
 
それら光源の種類(質)によって、モノの見え方が変わってきます。
そして、その見え方の違いは私達の日々の暮らしやインテリアを考える上で
とても深く関係しているんです。
 
このページではその「灯り」のことを少〜しお話したいと思います。
SHOPPINGの合間。お茶でも飲みながら、ゆっくりしていってくださいね。
 
  
 

はこちらからご覧ください。

 
 
 

光源の種類で色が違って見えるのはどうしてなのでしょう?
 

私達の住まいで日常的に使われている光源には主に「白熱灯」と「蛍光灯」があります。
光源の質(色)の違いを表すものに 色温度(単位:Kケルビン という光色を数量化した基準がありますが、次のような性質があります。


 
色温度が高い光だと・・・ 「青白い光」・・・に感じます。
色温度が低い光だと・・・ 「赤っぽい光」・・・に感じます。

 

わかりやすく言うと・・・
「ローソクの炎」を思い描いてみましょう。
「ローソクの炎」は色の異なる炎の層になっていますが、温度が低い層は赤くて、温度が高くなるにしたがって白から青く見えませんか?
そうなんです。
 
白熱灯」は、色温度が低く、赤やオレンジ色の電磁波(長波長=電磁波の波長が長い)の領域が多い性質を持っているため、モノは赤みがかった黄色みを帯びて見えるんですね。

蛍光灯」は、色温度が高く、赤やオレンジ色の電磁波(長波長)の領域がとても少ない為、モノの赤や橙色(オレンジ系)はややくすみ、少し青みがかって見えるのです。

また、自動車道路のトンネルの照明で使用されている「ナトリウム灯」は、黄色〜オレンジ色の領域の電磁波のみしか持たない性質を持っているため、トンネル内ではオレンジ色以外は灰色っぽくくすんだ色に見えてしまいます。
皆さんも、「そういえば・・・そうそう」なんて経験ありませんか?
そのように、ほとんど色を識別する事が出来ない性質の灯りもあるんです。

 
 
このように光源によってモノの見え方が変わるのですが、この光源の性質を「演色性」といいます。
光源の光エネルギーが、自然光のように一様に含まれている程、自然光と同じように見え、「演色性がいい」と言います。逆に不自然に見えることを「演色性がわるい」と言います。


人工照明(自然光以外)で同じ色に見えた色が、自然光でみると違う色に見えることがありますが、このような現象は(メタメル現象)、そのモノの素材や着色方法が違う場合に多く見られます。

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では、実際には光源の種類によって、お部屋はどのように見えるのでしょうか?
 
自然な色
(色温度:約5,000k)
暖かい色
(色温度:約3,000k)
涼しい色
色温度:約6,700k)
色味は殆ど感じられない
(色温度:約2,000k)
自然な雰囲気 暖かく落ち着いた雰囲気 クールで爽やかな雰囲気   
   住宅(特にダイニングルーム)
レストランなど
美術館や色比較など色を重視するところは特に「演色性」が非常によいランプを使います。
オフィス
学校
病院
精密作業の工場(印刷・塗料・繊維など)など
一般作業の工場
トンネル
道路など

 

 

クルーゾフ効果とは
 
昼白色の蛍光灯のような明るく青白い光は気分を爽やかにしますが、照度が低すぎると陰気で寒々しい感じになってしまいます。
逆に白熱灯のような赤っぽい光は、照度が低いと穏やかな雰囲気になりますが、照度が高いと暑苦しく、不快感を感じます。
色温度にはこうした心理効果(クルーゾフ効果)があるんですね。

光源によってもたらされている面の明るさを(単位面積あたりに届く光の量) 照度(単位:lxルクス といいます。

 
 
 
 
お部屋の照明を変えるだけで、「暖かなイメージ」 「涼しいイメージ」などの季節感を出すことが出来ますし、お部屋のタイプに応じて別々な雰囲気を作ることができるんですよ。
 
作業や勉強に適した環境をつくるには色温度の高い「蛍光灯」の灯りを。
心身をリラックスさせ、やすらぎを求めたい時には「白熱灯」の灯りが最適なんですね。


 

光源によってもたらされている面の明るさを 照度(単位:lxルクス といいますが、照度は低すぎても高すぎても目にはよくありません。いろいろな場所での適した明るさの基準はJISで推奨されている基準があります。その基準をもとに、住宅の場合の部屋の大きさと必要なワット数の目安は次の通りです。照明選びのポイントとして参考になればと思います。
 
照明器具   部屋の広さ 4.5畳 6畳 8畳 10畳
蛍光灯 シャンデリア - 30Wx3 30Wx4 30Wx5
吊り下げ型 30Wx2 32W+30W 40W+32W 40W+32W+30W
直付け型 20Wx3 20Wx4 20Wx5 20Wx6
白熱灯 シャンデリア - 60Wx4 60Wx5 60Wx6
吊り下げ型 100Wx1 100Wx3 100Wx4 100Wx3
(全国平均照度約70ルクスを得るために必要なワット数と灯数です)
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白熱灯のススメ
 

次に、私達が日常、生活している住まい(住宅・部屋)ではどの種類の灯りが心地いいと感じるのでしょうか?
 
「白熱灯」と「蛍光灯」の性質を比べてみましょう
 
白熱灯 蛍光灯
光 源 点光源による熱放射:
光を熱に変えることにより発光する。
放電発光:
「アーク放電」によって紫外線が放射され、そのエネルギーで蛍光体が反応し、光線に変換される。
演色性 よい。(最も自然な灯り)
「たいまつ」「ロウソク」の仲間
わるい。(不自然な灯り)
色温度 低い。(赤っぽく感じる。) 高い。(青っぽく感じる)
作 用 自律神経系統を刺激し、空腹感を喚起させ、消化作用をうながす。 自律神経系を鈍らせ、空腹感を覚えず、消化器官もふるわない。
拡散性 点光源なので、光が拡散せず方向を持っている。そのため、素材感や立体感が出る。 「拡散性」が高く、陰影が少ない。
 
 
私達がふだん食事をする時、思わず「おいしそう!」とよだれが出てしまう時って、どんな時でしょう・・・?

愛妻が、お母さんが、シェフが心をこめて作ってくれた料理が運ばれ、ワクワクし匂いをクンクンしながら、お皿のご馳走を見たときではありませんか?

香ばしい焦げ目がついている時などは、一刻も早く食べたい衝動にかられちゃいます。
「生つばゴックン」です。(すみません。死語ですよね。)
そして、一口食べて・・・「おいしい!」と確認するのです。

そうなんです!!舌(味覚)でおいしさを感じるのは、人の五感の中ではわずか1%なんですって。ホント驚きです。

「視覚」・「臭覚」・「聴覚」・「味覚」・「触覚」が人の五感と言われていますが、これらを総合的に感知して、「おいしい!」を感じるのですねぇ。
中でも「視覚」で全体の86%を感じ、次に「臭覚」で2%。そして、「味覚」と続くわけです。
ですから、ご馳走の色の見え方はすごくすごく大切なんです。

これらの事から、全ての面において「白熱灯」の方が、ご馳走をより「おいしく」見せてくれることが、もうお分かりですよね?住まいの中では、特にダイニングルームは「白熱灯」がBESTなのです。

だって、赤いトマトは「赤く」・グリーンのレタスは「グリーンに」・黄色いレモンは「黄色で」なくっちゃ・・・。赤いお刺身が青く見えるのはやっぱりイヤですものね。
そして最後は・・・。いかにおいしそうに見せるかは食器の選び方や配膳の仕方、ファブリックの使い方の「美覚」センスで決まり!かな・・・。

 

 

「白熱灯」を使うといいのはダイニングルームだけではないのですよ。
 
朝晩問わず女性でしたら必ず覗く化粧台の灯り。もし、そこに蛍光灯を使っていると、毎日自分の顔を見ては「顔色が悪いなぁ・・・」と嘆く事に・・・。そして、知らず知らずの間に「やる気」までもが鈍ってしまうそうです。
 
それは化粧台だけとは限りません。お子さんがいらっしゃる方などの勉強机の電気スタンドはどうですか?

白熱電球の灯りは勉強をも促進し、蛍光灯は同様に無意識の間に「やる気」をなくし無気力にさせてしまうそうです。少し怖い話ですよね。お心当たりのある方はすぐに電球チェックを。
 
少し補足ですが、電気スタンドは窓や壁にピタッとつけて置くと、圧迫感を抱いてしまうので、30cmは離して置き、採光は左手から得られるような配置がBESTなんだそうです。
照明の色はそのように気分を左右する、心理的にも生理的にも重要な役割をもっているんですね。いつもは、何気なく過ごしていたお部屋の「灯り」。もう一度再確認してみてはいかがでしょうか?

 
 

実は、こんなところでも・・・。
舞台公演で喜劇の時は黄色のフィルター、悲劇の時は青色フィルターの照明を使うことになっているんですよ。落語のとき、青色系のフィル−ターで映し出された落語家さんの顔は楽しく、話せば話すほど気味悪く見えてしまうんですねー。(チョット見てみたい気もしますが・・・)

 
 

ものごとに集中している時って時間が過ぎるのは「あっ」という間に感じられますよね。逆に、人との待ち合わせの時、時間が経つのが長い事長い事。皆さんも日頃そう感じることは度々あるかと思います。これは心理的作用のほかに、実はまわりの風景や色に関係しているんですって。
赤色光は青色光より刺激的に感じ、注意を引きつけるため体の新陳代謝が活発になる事は上の比較表にもありますね。同じ時間内では、その間の新陳代謝が活発なほど(消費エネルギーが多いほど)体感時間が短く感じるそうなのです。

 
・・・と言う事は、好きな人と過ごしたい時は、時間が長く感じられる寒色系の青色光の方がいいんじゃありませんかー!?「蛍光灯」も使い方一つで、そんなシアワセな気分になれるんですよね・・・。

 

 

参考図書
「人はなぜ色にこだわるのか」  村山貞也 / KKベストセラーズ
「色の秘密」 野村順一 ネスコ
「色の名前はどこからきたか」  福田邦夫 / 青が書房
「心を元気にする色彩セラピー」  末永蒼生 / PHP
「色の雑学知識」  渡辺洋子 / 駿台曜曜社
「色の雑学辞典」  岩本ちさと / クロマ色

  
  

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